指示役「ルフィ」は防犯関連株を買ったりしているのだろうか
最近、強盗グループによる連続強盗事件が世間を騒がせています。
この事件を受けて、NHK NEWS WEBによると、強盗事件が発生した茨城県のホームセンターでは、防犯グッズの売上が急増しているそうです。
防犯カメラを扱う企業の株価が急騰
こうした防犯意識の高まりに加えて、同時期に飲食店での迷惑動画が問題になったことで、防犯カメラを扱う企業では需要増加を見込んだ株価の急騰が起こっています。
例えば、セキュア(4264)は2月2日から4営業日連続ストップ高(8日には反動でかなり値下がり)。
急激に値上がりし過ぎて、2月2日以前のローソク足が薄っぺらく見える。
さらに、昨年末に東証スタンダード市場に上場したばかりのダイワ通信(7116)も2月3日から2営業日連続ストップ高(こちらも7日には反動でかなり値下がり)。
もし「ルフィ」が防犯関連株を買っていたら...
強盗の指示役「ルフィ」は捕まらないようにフィリピンの収容所から指示をしていたというかなりの悪知恵の持ち主なので、強盗の前にこれらの防犯関連株を買って儲けていてもおかしくないのでは...。
もしそうだった場合、あまり詳しいわけではありませんが、金商法第158条が重要になってくると感じます。
【金融商品取引法第158条 風説の流布、偽計、暴行又は脅迫の禁止】
何人も、有価証券の募集、売出し若しくは売買その他の取引若しくはデリバティブ取引等のため、又は有価証券等・・・の相場の変動を図る目的をもって、風説を流布し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をしてはならない。
強盗は第158条の「暴行」に当たると考えられますが、「ルフィ」はあくまで指示をしただけで、自身が強盗したわけではないんですよね。
この場合、強盗の指示は「暴行」に含まれるのか...?
詳しい人がいれば、ぜひ教えてください。
何はともあれ、今回の連続強盗事件の解決と、防犯カメラに頼らなくてもいい社会を願いたいです。
2018年ノーベル文学賞発表延期による文教堂GHDの株価への影響
26日の東京株式市場で凸版印刷株が一時前日比141円(5%)高の3045円まで上昇した。株式分割など考慮後で2006年5月以来、17年ぶりの高値をつけた。PBR(株価純資産倍率)1倍割れの是正に向けて株主還元を強化している点が好感された。終値は126円(4%)高の3030円だった。
https://kiyomizumikai.hatenablog.com/entry/%E2%96%A0
以前に大学で行った株価のケーススタディを共有したいと思います。
ケーススタディを行ったのは、2018年のノーベル文学賞発表延期による文教堂GHDの株価への影響です。
目次
ノーベル文学賞発表延期の経緯
文学賞をはじめ毎年発表されるノーベル賞ですが、2018年には文学賞の発表が延期されるという異例の事態が発生しました。
その原因は、ノーベル文学賞を選考する団体である「スウェーデンアカデミー」の関係者にセクハラのスキャンダルが発覚したこと。
当時はセクハラ被害撲滅を訴える「#MeToo運動」が世界中で展開されていたことから、この問題は世界中を騒がせる事件となってしまいました。
この事件によりスウェーデンアカデミー内でも揉め事になり、多数の会員が辞任。
会員不足によりノーベル文学賞の選考が不可能になってしまい、2018年のノーベル文学賞発表延期に至ったのです。
ノーベル文学賞と文教堂の株価の関係
それではこの発表延期事件は、株式市場にどのように影響を与えたのでしょうか。
ノーベル文学賞が影響を与えるのは、やはり書店です。
日本では毎年のように村上春樹氏の受賞が期待されていますが、もし村上春樹氏が受賞すれば、多くの人が村上春樹氏の書籍を買い求め、書店の売上UPに繋がります。
そこで、書店事業大手である文教堂GHDの株価を見てみましょう。
文教堂GHDの月足チャートです。
これを見ると、ここ数年、毎年9月・10月にかけて上昇し、その後低下するという動きがあることが分かります。
これはノーベル文学賞が毎年10月頃に発表されることから、日本人の受賞を期待した思惑買いが10月頃にかけて広がるためと考えられます。
また、2018年は発表延期になったため、10月頃にかけての株価上昇がないことが見てとれます。
発表延期の影響
それでは発表延期が明らかになったときの文教堂GHDの株価変動を見てみましょう。
文学賞の発表延期が明らかになったのは、2018年5月4日でした。
その前後の株価を見ると、5月2日は408円だったのに対して、発表延期が明らかになった後の5月7日には371円(-9.1%)に急落しています。
急落の理由は、やはり村上春樹氏の書籍を始めとする受賞作品の売上増加への期待が、今年は無くなったということに対して失望売りが広がったことだと考えられます。
また、長い伝統を誇るノーベル文学賞が発表されないというサプライズが、売りに拍車をかけたとも考えられます。
発表再開の影響
それでは、ノーベル文学賞発表再開というニュースは株価にどのように影響したのでしょうか。
同様に文学賞の発表再開が明らかになったときの文教堂GHDの株価を見てみましょう。
2019年3月5日、ノーベル文学賞の発表が再開され、2018年と2019年の受賞者をまとめて発表することが明らかになりました。
その前後の株価を見ると、3月5日は180円だったのに対して、翌日の3月6日には230円(+27.8%)に急騰しています。
急騰の理由として、やはり村上春樹氏の書籍を始めとするの受賞作品の売上増加への期待が再び高まったことが考えられます。
また、まとめて2年分発表されるため、2019年は村上春樹氏が受賞して特需が起こる確率が単純に2倍になるチャンスタイムだったと考えることもできます(結果的に受賞を逃しましたが)。
まとめ
ノーベル文学賞発表延期という異例の事態は、書店事業大手の文教堂GHDの株価を急落させました。
しかし、その後のノーベル文学賞発表再開では、株価の急騰をもたらしました。
この大きな株価変動には、長い伝統を誇るノーベル文学賞の発表が延期されたというサプライズが根本にあると感じます。
今回のケーススタディは、株式市場におけるサプライズの重要性を再認識するものでした。